【②グリーフケアのこと】一日のうちで何度も感情はゆれ動くこと
大切な人を失くしたあと、段階的に適応していく順番を書きましたが、
全ての人が段階的に感情を体験して新しい環境に適応していくわけではありません。
何度も何度もいろんな感情を1日のうちでも経験をして、
「ゆらぎ」を感じながら適応していきます。
それはほんとにストレスが大きい作業で、
「自分は頭がおかしくなってしまったのではないか」
と混乱することもあります。
そんなときは、感情の動きは1日でもゆらぎならが適応していく、ということを
思い出してみてくださいね。それでは感情の動きを詳しく説明していきます。
1.感情は1日のうちで何度もゆれ動く
段階的ではない悲しみからの適応
次に、段階的に進むわけではない、悲しみからの適応について説明します。
Stroebe & Schut(2001年)は、
「二重過程モデル」という考え方を提唱しました。
これは、悲しみに向き合う際に2つの異なるストレスがあることを説明しています。
A) 喪失志向コーピング:
亡くなった人との関係や思い出に向き合う方法です。
B) 回復志向コーピング:
亡くなったことで日常生活に生じる新しい問題に焦点を当てる方法です。
これらの感情は、1日の中で行ったり来たりします。
あるときは亡くなった人を思い出し、また別のときは日常生活に集中して気を紛らわせることがあるということです。
これら2つを同時に行うことはできないので、どちらか一方に取り組む時間があり、時間が経つと、徐々に喪失志向から回復志向に移っていくとされています。
この移り変わりを「揺らぎ」と呼びます。
ゆらぎを感じる大切さ
Stroebe & Schut(1997年)は、
「悲しみに向き合うことは大切ですが、悲しい気持ちがずっと続くと心に負担がかかります。
反対に、前向きな気持ちだけを続けると、悲しみを十分に感じられなくなる場合もあります。」
そのため、これらの感情が交互に現れることが、心の整理に必要だと述べています。
この考え方は、悲しみが段階を追って進むという理論とは違い、
喪失と日常生活の間を行き来する過程です。
そして、少しずつ前向きな気持ちが増えていき、日常に適応できるようになるとされています。
まとめ
Stroebe & Schutの「二重過程モデル」という考え方は、人が喪失体験をした時、
ずっと悲しみ続けるのもよくないし、逆に前向きな気持ちばかりだと悲しみを十分に感じられなくなります。
揺らぎ、を通してこのバランスを取ることが、新しい環境への適応のために必要だと考えました。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
誰かの参考になれば幸いです。
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