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責難は成事にあらず

  
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責難は成事にあらず

『責難は成事にあらず』という言葉は知っていますか?

 

今回はおすすめの本の紹介をしていきます。

みなさんは、学生時代に読んで心を揺さぶられた本がありますか?

私にとって、その一冊が小野不由美さんの作品です。

時折、ふとした瞬間に思い出すのは、その中に登場する「責難は成事にあらず」という言葉。

「誰かを責めたり、非難することだけでは、何も成し遂げることはできない」という教訓です。

出典は、小野不由美さんの『華胥の幽夢』に収められている「華胥」という章で、

国を傾けた国王・砥尚(ししょう)が、自ら位を退くときに残した遺言の一つです。

 

国王砥尚は、先王の悪政を徹底的に批判し、それを反面教師として国を治めようとしました。

彼は正義を貫くつもりでした。

しかし、その結果、彼の施策は民を苦しめることになります。

誰かを責めることは簡単ですが、自分ならどうするか、

その選択の責任を負えるのか。これが本当の意味で難しいことなのです。

非難することは、ある意味で自分を安全な場所に置いている行為でもあります。

その背後には「自分はそのような間違いを犯さない」という思いが隠れているからです。

 

ですが、考えもなしに反対するだけでは、

かえって状況を悪化させることがあるということを、

私たちは砥尚の教えから学ぶことができます。

 

そういえば、昔、家の近くで子どもたちが騒ぎ始め、石を投げ出したときのことを思い出しました。

とっさに、「それだったら、こっちの木に向かって投げてみて」

と声をかけて、危険な行動を別の方向に導いたのです。

もちろん、これが正しい解決方法かはわかりませんが、

その瞬間の私は、ただ「やめなさい!」と叱るよりも、どうすれば危険が少なくなるかを考えました。

 

でも子どもたちを一緒に遊ばせていたママさんからは

「はあ?それもどうかと思うけど?」だけ言われ批判されました。

でも、その人はただ「それは良くない」と言うだけで、どうするべきかは一切考えていない様子で傍観だけしていました。

私たちは、相手を責める前に、

まず自分にできることを考えてみる必要があります。

たとえその方法が完璧でなかったとしても、

実際に行動することで見えてくるものがあるのです。

 

「責難は成事にあらず」

この言葉は、私の中でずっと生き続けています。

日常生活でつい他人のミスや過ちに目が行きがちですが、そのたびにこの言葉を思い出し、

自分にできることを考えようと心がけています。

 

学生時代に出会い、今もなお、人生の節目で私を励まし続けるこの本、

ぜひおすすめです。興味のある方はこちらから↓

華胥の幽夢 (かしょのゆめ) 十二国記 7 (新潮文庫) 文庫

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