悲しみに寄り添うグリーフケアでしてはいけない4つのこと 死別に悲しむ遺族のサポート注意点
グリーフケアでしてはいけない4つのこと
遺族へのサポートを行う場合の注意点
愛する人・大切な人を失い、悲しみを体験するプロセスは、はかりしれないほど身体的、
情緒的エネルギーが必要となります。
周囲のサポートにより悲しみがが軽くなる、
または増強する可能性もあるので注意が必要となります。
ここでは、死別体験後、隣人として遺族へサポート行う場合の注意点について
死別後の心理過程を背景に具体的に書いて行きます。
[死別後遺族へグリーフケアでしてはいけない4つのこと]
①安易に励ます
相手の気持ちを無視し、安易に励ます事は、遺族の負担になります。
②押しつけがましいアドバイスをする
相手の気持ちを考えず一方的にアドバイスをすることは、遺族の助けとはなりません。
③わかったふりをする
安易にわかったふりをすることは、遺族に不信感を抱かせます。 悲しみのプロセスは様々で、自分の死別体験が、他者の死別体験と同じではなく、 また悲しみの過程も同じように経過していくものではありません。
④早く立ち直れるようにプレッシャーをかける
悲嘆プロセスにかかる時間は人それぞれです。 「いつまでも泣いていても仕方ないでしょ」などの言葉は、正常な悲嘆プロセスを妨げることになりかねません。 また、死別後間もない遺族の手助けをしようと、 無理やりその死を認識させるような援助は悲嘆を増強させる可能性があります。 前回悲しみのプロセスの初期段階にショック期や否認があると書きましたが、 例えばショック期にある死の否認とは、
死別という認めがたい現実にワンクッション置き、ゆっくりと受け入れられるようになる自然の配慮である(河合,2002)。
と考えられています。 つまり死別の衝撃から死の否認を行っている遺族に対し、無理に死を認識させようとしたり、 安易に励ます事はかえって遺族の悲しみを増長させる要因となりかねないことを理解してください。
最後に
何度も書きますが、
「悲しみとはその人固有の体験である事を理解することが大切」です
死別体験とは、
死別した人との関係性、両親、子ども、兄弟、配偶者などどの対象を喪失したのか、
また、死別した状況、病死、事故死、事件による死別等、
状況により悲しみのプロセスも異なり、
自分の経験と合わせて考えることは出来ません。
どちらがより不幸せか、などの比較や評価は意味を持ちません。
「グリーフケアでしてはいけない4つのこと」を書きましたが、
それではじゃあどうしたらいいの? の
を書いて行きます。
参考文献
河合千恵子:配偶者と死別した中高年者の悲嘆とそのケア.生活教育.46(2). 2002
ここまで読んでくださりありがとうございました。
少しでも死別の悲しみに苦しむ方の力になれたら幸いです。