悲しみに寄り添うグリーフケア:死別体験における二次的な喪失 死別により引き起こされる悲しみ
グリーフケア:死別体験における二次的な喪失 死別により引き起こされる悲しみ
死別体験における悲しみとは、
大切な人の死そのものの衝撃だけではなく様々な困難、
死に伴う家族関係、
経済状況の変化等も二次的な喪失として死別の悲しみに苦しむ人に影響を与えます。
ストレスの受け止め方の問題については、
あたりまえですが受け取る側の認識や情緒反応などによって違います。 つまり反応も大きく違ってきます。
ここも個人差が大きいという認識をしてください。
ストレスを受ける、受けないはその人がその事実をどう「認知」するかによって違ってきます。
個人の生活環境や性格、また年齢や文化的な背景も違ってきますし、
宗教など信仰を持っている人とのストレスの感じ方も違います。
同じ出来事を体験しても一人ひとりストレス因子は違ってくるということです。
何が大きなストレスになるかは個人によって違いますが、
ここをふまえて、 死別後、家族の死によるストレスの「危険因子」を書いて行きます。
①生活環境の変化
現在日本では昔のように、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住むような大家族ではなく、
核家族化が進み、配偶者との死別後一人暮らしとなるケースが増加しています。
また、その後子どもとの同居等により引っ越しを余儀なくされるケースもあり、
特に高齢者にとっては住み慣れた場所を離れるというのは大きなストレスとなります。
②日常生活の困難
例えば、妻を亡くした男性にとって家事や子育ては困難な課題となります。
また、家族の中で亡くなった人が中心的な稼ぎ手であった場合など、夫を亡くした妻は経済的困難が生じます。
③家族関係の悪化
死別によって家族のまとまりが途切れたり、薄くなる可能性がある。
子どもを失った場合は夫婦で悲しみの表現が違い夫婦関係が悪化し、
離婚率が高くなるとの報告もあります。
また、配偶者を亡くした後、義父母との関係が問題となるケースもあります。
例えば、妻が死別後夫の家族と縁を切りたいと思い法的手続きをとることも多いです。
④心ない言葉や態度
坂口幸弘ら(2001)が行った遺族調査では、
解答者の3人に1人以上が周りの心ない言葉や態度に傷つけられた経験をしていると言われています。
「私も同じだからあなたの気持ちわかる」
などの安易な言葉かけや、
「いつまで悲しんでるの!」
など早く立ち直るようプレッシャーをかけるなどは悲嘆のプロセスを妨げ、
ストレスの危険因子となりえます。
次は「グリーフケアの具体的な方法」について書いて行きます
ここまで読んでくださりありがとうございました。
少しでも死別の悲しみに苦しむ方の力になれたら幸いです。