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悲嘆(悲しみ)のプロセス グリーフケアの一番重要な視点 

    
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悲嘆(悲しみ)のプロセス グリーフケアの一番重要な視点 

悲しみに寄り添うグリーフケアの理解に欠かせない

悲嘆(悲しみ)のプロセス 

  悲嘆は(Grief;グリーフ)は愛する人の喪失によるあらゆる反応やその経験のプロセスと言われています。

 悲しいのプロセスを理解する前にグリーケアを考えるうえで、

 

理解してほしい一番重要な視点をまず書きます。

 

①個人の悲しみ、悲しみのプロセス、その経験はそれぞれに違います

「私も同じだから気持ちがわかる」と言われて傷つく人もいます。

人は個々にそれぞれの体験があります。もちろん外面と内面も違います。

自分の悲しみと人の悲しみを比較したり、同一視するのはやめましょう。

ただ「共有」は出来ると思います。  

②絶対的な反応はありません

(共通している部分はありますが、個人差があります

落ち込んだり泣いていないから悲しんでいない、

とか苦しんでいないわけではありません。)  

③回復までの決まった道筋はありません

(~年経過したから大丈夫、とかではありません。 悲嘆は2~5年続いたり、場合によってはその倍以上続いたりとこれも個人差があります。

そして愛する人との死別は完全に乗り越えたりするものではなく、 数年経過したとしても折に触れてやはり悲しみは続いていると言われます。)

上記を注視したうえで、悲嘆(悲しみ)のプロセス「段階説と日内変動説」を見てみて下さいね。  

正常悲嘆のプロセス

悲嘆のプロセスとしては多くの研究者たちにより悲嘆プロセスの段階説が示されています。

この悲しみの期間も参考として載せますが全ての人がこの経過時間通り進むことはありません。

ボウルビーとパークスの悲嘆(悲しみの)プロセス

1)無感覚/感覚の麻痺 大切な人が亡くなったという生理的な認識と情緒的意味の理解との間のギャップが生じる。パニック・否認等 (悲嘆開始後おおよそ2週間程度)
2)切なる思い/思慕と抗議 失った対象を探し求め、思い出の品とともに故人を追悼する。しかし思慕の対象が自分のもとに戻らないとわかった時、激情が襲う、激しい混乱が間欠的に押し寄せる。将来に対する不安が強い。 ・混乱、幻想、怒りの爆発 ・故人への追悼への没頭 ・強度の思慕、さみしさ、罪悪感などこれらの感情が交差し混乱を経るとやがて感情の表現を抑え、配偶者の死を納得しようとする時期を迎える。 (悲嘆開始後2~4週頃がピーク、通常6~8週で症状の改善をみる)
3)崩壊 現実と向き合う過程において、無関心と無目的となり他者と共に過ごすことや、受け入れが少なく孤立した状態となる。 (約8週~1年程度)
4)再建 喪失体験を知的にも情緒的にも受容し、新しい自己のイメージや役割を見出す。新しい人間関係にはいりこもうとする決意と準備を整えていく。

 

「赤ちゃんや幼い子どもがお母さんと離れた時の悲しみのプロセスを想像してみる」

           

 

 

 

 

 

ちょっと死別の悲嘆プロセスが想像つかない、

という人は「子どもがお母さんと離されたときのプロセス」を思い出してみて下さい。

イギリスの精神分析学者ボウルビー(1961)は、

悲嘆に関する研究の中で愛着関係の考察をしています。

お母さんと離された乳幼児、

赤ちゃんや幼い子どもは最初に強い分離不安を示して、母親を追い求めます。

そして思い通りにならない時

怒りの感情と抗議の思いをあらわにした悲しみに対する行動をとるります。

しかしやがてあきらめ、母親の代理の世話を受け入れていく。

この現象が成長後の人間が示す悲嘆にも当てはまるとボウルビーさんは想定しています。

 

そして悲嘆とは本能的に生じるもので、

解決と適応に焦点を当てた反応だと主張しています。

↑つまり悲しみのプロセスは必要なプロセスだということです。  

 

悲嘆のプロセスとしては多くの研究者たちにより悲嘆の段階説が示されています。

その他アルフォンス・デーケンの悲嘆のプロセス12段階(カタルシス;浄化作用)

や パークスの4段階悲嘆過程等もあります。   上記の研究者たちに共通する点は、

親しい人の死という喪失を体験した後、

 

ショック期や大切な人の死を認めたくない否認、

怒りや抑うつを体験し容認、

最終的に新しい自分!

というアイデンティティの獲得をする

事が正常な悲しみのプロセスであるとしています。  

 

ここで大切なことは、

悲しみのプロセスは必ずしも順序通り進むとはかぎらず、

人によっては逆行したり停止したりするということです!

次に、段階説ではない悲嘆のプロセスを書いていきます

 

3.「死別後、悲しみの感情は1日のうちに何度も変化する日内変動説 段階説ではない悲嘆(悲しみ)の回復過程」  

参考文献

Harvey, J. H. (2000)Give Sorrow Words: Perspectives on Loss and Trauma (Series in Death, Dying, and Bereavement).  

Routledge.( Harvey, J. H. 安藤清志(訳).2002.

喪失とトラウマの心理学 悲しみに言葉を 誠信書房)

宮林幸江:はじめて学ぶグリーフケア,関本昭治,株式会社日本看護協会出版会2012.

 

 ここまで読んでくださりありがとうございました。 少しでも死別の悲しみに苦しむ方の力になれたら幸いです。

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